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想い

一般社団法人 日本女性芸術家協会

代表理事 瀬戸 志保 

アートが繋ぐ心と未来

 世界中どこでも素敵な街並み、高級なホテルや建物にはアートが多く取り入れられ、心地良さや豊かさなど空間の雰囲気を作り上げます。日本においても気の利いた空間には必ずアートがあり、アートの要素は社会に溢れていて、そして生活に溶け込んでおり、アートは人の生活に必要とされています。 しかし、それを生み出すアーティストは、国の最高峰の大学を卒業したとしてもそのほんの一握りしか芸術で生計を立てることができないのが現状です。私は自身が芸術家を志して以降この矛盾した状況に疑問を持っていました。 人並みの生活が出来る、作品を販売することだけで生計を立てている、職業としての芸術家は本当に一握りです。それはジャンルに限らずどの日本の芸術おいても同じことが起きています。

 

「なぜ芸術が必要か、自分はなぜ作るのか」私が学んだ美大では教授と学生が芸術について、1日の制作が終わった後、毎日のようにそんなことを語り合っていました。「自分の作品が誰かの心の癒しや励ましとなる、共感してくれる誰かのために描く、作る」そう話す人が多くいました。それぞれの作家のアプローチの違いはあっても作品にその想いが込められています。 作り続ける人は、売れる保証などなくても制作に給料を注ぎ込んで作り続けます。それが当たり前であってどうすることもできない。そもそもアーティストは利益と効率を求める社会と真逆の存在で、例えばお金を得るために自分を抑えて創作してもれは作品に表れます、作品には作家の内包する全ての要素が出てしまうものです。 作品に嘘がつけない、それが人間が創るアートです。 私が「芸術は愛でできている」と思う理由もそこにあります。

 

 作られた作品は、作家の思いや凝縮された人生そのものであり、その思いに共鳴する人が必ずいると思っています。私は自分が制作することだけでは足りない、多くの作家の優れた作品をそれに共感する人に届けたいと思いました。また、優れた作品を生み出すのは優れた芸術家です、その人たちが、生活のために芸術から離れていくことを止めたいと考えました。しかし私ができることは限られていると思い、私が生まれた日本、私がいただいた女性という視点に限定し、日本女性アーティストを一つのブランドとして世界にアプローチしていくことを考え、一般社団法人日本女性芸術家協会を立ち上げました。

 

 人と芸術のために私ができること、それが日本女性芸術家協会がやろうとしている事業です。

 

 一人では立てない、ならば寄り添って立ってみよう、立つことが出来たらそこから歩き出してみよう、そして広がってみよう。 日本に私は芸術家だと思う女性たち、まずは私たちが各ジャンル同士の掛け算として協力し合いながら日本で初めてのすべての日本人女性芸術家の協会として存在したいと思います。

 

 日本女性芸術家協会は、日本から世界を見ています。まずその一歩目として2025年にトルコ主要都市での巡回展を計画しております。トルコはヨーロッパ、アジア、中東、ロシア、アフリカの中央に位置しており、世界最古のメソポタミア文明の発祥の地の一つでもあります。第一回日本女性芸術家協会の世界巡回展がそのトルコであることは非常に意味があると感じております。また、第二回はアメリカ第3回はフランスの準備をしております。

 

 またよく受ける質問、このジェンダーフリーの時代の流れの中でなぜ女性限定の団体を立ち上げたのかという点について、実は私自身は人として存在することに性差を感じておりません、私の中に男性性と女性性が混在しており、私以外の人もそれは同様だろうだと思っております。違いがあるとすれば身体的な差と思考と行動的な特徴くらいではないかと思います。しかし、日本や世界の現実において、特に芸術のような厳しい世界では支え合う必要を感じております。支え合う必要がない社会になった時、女性という冠を外して日本芸術家協会としたいと思います。私は1日も早くその日が来ることを願っています。

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